本質的変化

　　わたしたち人間の意識と、生活様式と、社会のシステムとルールの本質化への流れが現代社会のあらゆる問題の解決に繋がります。
　　ここで本質化するとは、よりバランスのとれた状態にすることと同義です。そのために、わたしたち一人一人の意識をできるだけ利己主義を超えた公平なものにしていき、生活様式も自然と良く調和し、また、できるだけ贅や浪費を廃して本当に生活に必要なものを必要なだけバランス良く利用するようなものにしていき、また同時に、社会のシステムやルールもどこまでも公正なものにしていく。そして、自然においても社会においても、本来あるべき理想的なバランス状態に近付けていく。
　　この世の本質は完全バランス状態の中の全一的変化にあり、人間社会においても本来そのような本質を維持していくことが強く求められているのです。
　　ところで、この世に生を受けたすべての人々の、そのいのちの本質的な願いに応えられる理想社会の実現を目指す本質主義者は、資本主義という利己的な社会システムによってすでに甚だしく均衡を失ってしまった現代社会に、ふたたび速やかに本質化への流れを生み出すことによって、社会の本来あるべき全一調和的な健全性を取り戻そうとします。なぜなら、本質的な変化過程にある時、そしてまた、全一調和状態にある時、社会はもっとも健全だからです。
　　さて、社会の本質化の流れは、限りなく完全バランス状態に近い公正な社会の実現へと向かう流れです。それは、一人一人の住民が絶対的に公平で平等な権利と義務と自由を持ちながら共により良い未来社会を切り開いていくものであり、また、それは単に一つの地域社会に留まることなく、地域社会どうし、国どうし、民族どうしが対等な立場で連携し合い、究極的には、この世に生を受けたすべての人々が、それぞれのいのちの本質を十全に生き合えるような理想的な地球社会を築いていくものなのです。そのような社会においては、現代の資本主義社会におけるような利己主義や環境破壊や浪費や経済格差などと言う忌まわしい言葉は死語となってしまうのです。