No.1356  本質的な美しさの回復


  この頃この国の景観からわたしたちの心の奥深くに届くような本質的な美しさに出会うことが極めて少なくなったように感じられます。このことは取りも直さず、戦後長きにわたってわたしたち日本人の心から人間の本質的な情趣が失われてきたことの証だろうと考えられるのです。わたしたちは大自然の全一調和的な本質を忘れ、余りに功利的になり過ぎてしまったのです。そして、いつしかいのちある人間本来の本質的な価値を自ら損ない、また、それと同時に、いのちの根源的な優美さをも失ってしまったのです。そして、それがそのまま今の社会の景観に反映されていると考えられるのです。
  このような状況を目の当たりにして本質主義者は、現代という迷走する時代を永遠普遍の本質という絶対的な背景の前に置き直し、それを今一度冷静に見つめ直してみる必要があると感じます。そして、科学技術に溺れて本質を忘れてしまったかのような現代社会に再び人間らしい心を感じさせる本質的な美しさと趣を取り戻したいと思うのです。そしてまた、これまでの余りに個人主義に偏り過ぎた自己中心的な思考に代えて、全体世界と自己とをわたしたちの心の深奥において一体的に捉えようとする全一統合的な思考をこれからの新たな常識としながら、より本質的な時代を切り開いていきたいと願うのです。

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