No.1357  本質政治


  本質主義者が目指す政治は、この世の永遠不変の真理に根ざした全一調和的な視座に立つ本質政治です。この政治は、欲望うごめく現実社会の、単なる数と数、力と力、カネとカネ、技術と技術、知識と知識、駆け引きと駆け引きなどの延長線上に築かれるものではなく、その節目節目において本質的かつ飛躍的な変革を伴う政治です。そして、その最終的な目標となるのは、いつまでも行き着くことのできない、永遠に目標であり続ける完全調和社会すなわち地上のユートピアなのです。そして、このような常にユートピアを目指し続ける本質政治をその根底において、いわば、その活動のモメント(動的要因)となって衝き動かしているのは、わたしたち人間の内なる最高本質である精神に内在する理想社会実現への根源的な希いであり夢なのです。そしてまた、このような運動の大きな柱の一つとなっているのは、対立する反本質的な政治勢力の、その活動の基盤となっている考えの不当性およびそれから生じる諸々の弊害を明確にあばいて、その運動の思想的土台そのものをその根底から容赦なく突き崩すことによってその運動自体をも自壊させることなのです。
  かくして、本質的な政治は、現実的活動であると同時に、優れて人間的な、進化し続ける思想的淘汰過程でもあるのです。すなわち、本質政治は明確な哲学的理念によって方向付けられた政治であり、その目指す理想社会においては、すべての人々が、それぞれ独自の本質的自己を、自由に、そして、安らかに生き合うことができるようになります。そしてまた、このようにして現実社会を一歩一歩その理想状態に向かって着実に近づけようとし続ける本質政治は、本質主義者が未来の地球社会に将来しようと試みる本質文明の中核を担う活動の一つなのです。

                            本質文明研究所  有我 十三

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